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FETISH STATION

From Tokyo to the world.

部屋とTシャツと着ぐるみ

2006.11.04 [ Edit ]

『彼女が着ぐるみに着替えたら』の続き。


 第3話  『部屋とTシャツと着ぐるみ

一枚のモノクロ写真。
レースのカーテンがかかった窓ガラスを背景に、『母』 が横座りしている。

あるレストランで、私は連れの女性にこの写真を見せました。
「こういう写真、撮ってるんだけど、どう思う?」
私が尋ねると、彼女は
「なんか、すごくきれい」と言いました。
「こういうの着て、写真撮らせてくれる?」と
ちょっといたずらっぽく聞いてみたところ、彼女はしばらく考えてから、
「うん。いいよ」と答えました。

私は仕事の関係で彼女と知り合ったのですが、彼女の職業は看護婦でした。
当時はときどき、二人で食事したり酒を飲んだりする程度のつきあいでしたが、いわゆる男と女の関係ではなかった、と先に書いておきたいと思います。

レストランで写真を見せてから、数週間後、私はもう一度、着ぐるみ写真の撮影について、聞いてみました。
彼女の答えはOK。
このとき、いろいろと話し合いを行いました。
撮影は彼女が住んでいるマンションで行うこと。ビデオ撮影は行わないこと。写真は他人には見せないこと。もちろん、第三者には話さないこと。などなど。

私の身長は168センチです。
彼女は私よりも長身でした。
自分では身長は170だと言っていましたが、実際にはそれより2〜3センチ高かったのではないかと思います。そして、長身の女性によくあることですが、少し猫背気味でした。
『母』 の着ぐるみは、一応、フリーサイズということになっていますが、実際には身長160〜165センチくらいが最もフィットするようです。
それ以下だと、スーツがだぶついてしまい、何よりも頭でっかちに見えてしまいます。
制作会社のひとは、170くらいなら大丈夫だと言っていました。


季節は6月の初め。時刻は夜9時すぎでした。
私は、撮影機材と着ぐるみを彼女の部屋に運び入れました。

案内された部屋はきれいに片付けられていました。
私はあらかじめ、「ものすごく汗をかくから、濡れてもかまわない格好に着替えておくように」 と伝えていました。
結局、彼女が部屋の中で着替えている間に、私はキッチンでカメラや三脚の準備を行うことになりました。
「いいよ」 という彼女の声を聞いて、私は部屋に入りました。
彼女のいでだちは下から順に、黒いタイツと膝上までのスパッツ、紫色の半袖のレオタード、それにだぼっとした白いTシャツでした。当時の流行りのエクササイズの格好です。
セミロングの髪はアップにして、ゴムとピンで留められています。
少し目のやり場に困ったのですが、彼女は恥ずかしそうに下を向いていました。
私は「じゃ、始めようか」と言って、着ぐるみを手に取りました。

着ぐるみを着るときは、まずスーツの股から膝までの部分を裏返した状態で、足の爪先から膝までを中に通します。
そして、スーツの腰のあたりを持って引っ張り上げると、膝から股の順に下半身にスーツが張り付いていくようになります。
次にスーツのヒップ部分に腰を滑り込ませるのですが、彼女の腰は意外に幅が広いのでした。
私は 「ちょっと、ごめん」 と言って、彼女のお尻をぎゅっと持ち上げて、スーツの中に押し込みました。
彼女は一瞬、身じろぎしましたが、何も言いませんでした。
その次は両腕を、脚と同じ要領でスーツの袖に通します。
この間、彼女はかなりの重さがある着ぐるみの頭部を両手で抱えたままです。
袖と裾の丈が足りなくなるかと思いましたが、グローブとブーツを履けば、十分にタイツと手首の肌が隠れるくらいでした。
それから、スーツの上半身を持ち上げるのと同時に、マスクをかぶります。
目の覗き穴と呼吸用の口の穴は、自分で念入りに位置あわせをしてもらいます。
呼吸の仕方を教え、
「大丈夫?目、見える?」と尋ねると、
「さっき、コンタクト外しちゃったから、何も見えない」と、くぐもった低い声で答えました。
とりあえず、視界は確保されているようです。
最後に、肩の位置を合わせ、背中を閉じていきます。
ファスナーは腰の下のほうから、頭の天辺まで一気に引き上げます。

「う……うぅ……。なんか、すごい感じ……」
着ぐるみのスーツはゴムで出来ているので、多少は伸縮性があります。
しかし、極太の金属製ファスナーには伸縮性がないため、長身の彼女には、かなりきつかったようです。
もちろん、そんなことを口に出したら、おしまいになってしまいますから、黙っていました。
彼女の背すじは完全に伸び、というよりも、少し反り返った格好になり、大きなお尻を後ろに突き出した状態で固定されてしまいました。
あと、見た目ではよくわからないのですが、下腹部から股間にかけてのあたりも、相当、締め付けられていたのだと思います。
きついスーツに閉じ込められ、姿勢を拘束された彼女。
息づかいの音が静かに聞こえていました。

「ぐるっと回ってみてくれる?」
長身の 『母』 は、お尻を突き出したまま、よたよたと回転します。
「ああ。とても、きれいだよ」
彼女は、黒タイツの爪先をきゅっと曲げて、それに応えました。
私は黙って、部屋のエアコンのスイッチを消しました。

グローブとブーツを装着したものの、この体勢ではイスに腰掛けることも出来ず、ほとんど立ったり、寝転がったりのままの姿勢で、撮影を行いました。
30分後に休憩。
マスクを外すときは、ファスナーを一番下まで下ろし、頭だけでなく、頭部とつながっている肩の部分まで脱ぎます。
やっと、イスに腰を下ろして、「暑ーい」 と深呼吸をする彼女。
私はバスタオルで顔の汗を拭ってあげました。
「シャツ、脱いでもいい?」
Tシャツを脱ぐため、スーツの上半身全部を脱がせる手伝いをしました。
「ちょっと、後ろ向いてて」
私が後ろを向いている間に、彼女はTシャツを脱ぎ、再び、スーツに袖を通していました。
スーツの間から覗いているレオタードは汗でびっしょりです。
このとき、彼女がレオタードの下に何も身につけていないことに気づきました。
私の視線に気づいた彼女は、「あ」 と言って、スーツで胸元を隠しました。

撮影を再開するため、再びマスクをかぶります。
でも、その前に、私は彼女にキッスをしました。
「ん。ん」
これは予定外の行動だったのです。私も。彼女も。

着ぐるみを着て行動するときは、休憩をはさんで2回目以降のほうが、動きが自然な感じになります。きつきつのスーツを着た彼女も、最初のぎこちなさは消え、なめらかにポーズをとるようになってきました。
私がレンズを交換しているとき、彼女が近づいてきて、後ろから私の両肩に触れました。
振り返ると、彼女はぐいっと両手で抱きついてきました。
私は、着ぐるみの胸に身体を押し付けられる格好になりました。
この突然の出来事にかなり驚いたのですが、私も彼女の背中を、腰を抱き返しました。
間近で『母』の顔を見ると、小さな覗き穴から彼女の目がこちらを見つめていました。でも、しばらくするうちに、覗き穴から僅かに湯気が上っているのがわかりました。
私は、もう一度、彼女にキッスをしました。今度はマスクの上から。

私たちは終始、無言でした。
ふー、ふー、という呼吸音の合間に、時折、「あぁ」という声が混じっていました。

1ラウンドが終了したとき、私は彼女のマスクを外そうとしたのですが、彼女は恥ずかしがって嫌々をしました。
グローブだけを外した彼女は、キッチンへ歩いて行き、冷蔵庫からペットボトルを取り出すと、ストローを挿して、そのまま、飲み始めました。
女神のようなマスクの中に、飲み物が吸い込まれていく光景は不思議な眺めでした。
彼女は手でOKのサインをし、2ラウンド目が始まりました。


この後の出来事は簡単に記すに留めたいと思います。
全てが終わり、着ぐるみを脱いだとき、彼女はバスタオルを掴んで、バスルームへ駆け込んでいったこと。
シャワーを浴びて、くつろいでいるとき、彼女が眼鏡をかけているのを初めて見たこと。
エアコンをつけて、びしょ濡れになったスーツを裏返して干している間、もう一度、今度は普通に愛し合ったこと。
そして、結局、後半はほとんど写真が撮れなかったこと……。


写真については、ネガは処分してしまいましたが、何枚か焼き増しして彼女にあげたので、ひょっとしたら、今でも持っているのかもしれません。


  <了>


※フィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません。


第1話:『風俗嬢に着ぐるみを着せた話』
第2話:『彼女が着ぐるみに着替えたら』
第3話:『部屋とTシャツと着ぐるみ』 (本記事)



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第2話の「後日談」と、第3話は、2004年にある会員制サイトに掲載した作品を、加筆・改稿したものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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彼女が着ぐるみに着替えたら

2006.11.04 [ Edit ]

『風俗嬢に着ぐるみを着せた話』の続き。


第2話  『彼女が着ぐるみに着替えたら』

今度は、特撮ヒーローと 『母』、2体の着ぐるみを借りてきました。
場所は、当時、私が住んでいた木造の古いアパート。相手は同居していた私の彼女です。
季節は、ありがたいことに真冬でした。

彼女は、アマチュアの人形劇団に入っていました。
パペット中心の人形劇でしたが、イベントのときには動物の着ぐるみもときどき着ていたようです。
しかし、さすがに着ぐるみを着てエッチなことをするという発想は、当然ながら、彼女にはありませんでした。
でも、後から考えると、必ずしも着ぐるみが嫌だというわけではなくて、写真やビデオに撮られることが嫌だったのかもしれません。

先にロケーションとセッティングを書いておいたほうが良いでしょう。
撮影に使用した部屋は、畳6畳の和室です。
レースのカーテンがかかったベランダの窓に面した部屋で、すりガラスの窓を背景に撮影を行ったので、家具が全く写っていません。
本当は、畳の上に寝そべる 『母』 の絵を撮りたかったのですが、着ぐるみの塗装(赤いウェットスーツにシルバーの塗装)が、かなり劣化していて、ぽろぽろ剥げ落ちてくるので、ほとんどのカットは畳の上にタオルケットを敷いて撮影しました。
一眼レフのスチルカメラには、モノクロフィルム。
それから、三脚にビデオカメラを取り付けました。
ビデオカメラの前面には、撮影中に点灯するLEDがありますが、黒いビニールテープで塞いでおきました。
そして、私は録画スイッチを入れました。

最初は興味津々だった彼女も、実際に着ぐるみを目の前にすると、不安な表情を見せ、嫌々をしていました。
しかし、一旦、着ぐるみを着せてしまえば、こちらのものです。
今回も、衣類は全部、脱いでもらって、下着はつけずにパンストとTシャツと、短パンだけの格好でした。
着ぐるみを着慣れている彼女ですが、マスクを被るときは少々、大変でした。
「うぅ、苦しい・・・」
お約束の反応ですが、面の呼吸穴の位置が決まってしまえば、安定して呼吸することができるので、そんなに息苦しさが持続するわけではありません。

ファスナーを引き上げて、スーツと面の装着は完了。
今回は呼吸困難にもならず、余裕で着ることができました。
イスに座らせ、グローブとブーツを履かせているとき、
「痛い!痛いよ!」 と、マスクを被った彼女がくぐもっているけれど、大きな声を出しました。
左足をしきりに押さえているので、ブーツを脱がせて、中を覗いてみると、ブーツの中敷が破損しており、靴底から打ってある釘の先が内側に露出していました。
これでは痛いはずです。というより、このままでは危険で、立ち上がることすらできません。
私は隣の部屋に工具を取りに行き、そこでブーツの中敷を剥がしたり、釘を抜いたり、ダンボールで応急の中敷を作ってみたりしました。

その間、およそ5分。
彼女は元の部屋に置き去りにされていたわけです。
『母』 の着ぐるみを着たままで。
後からビデオで見てみると、イスに座った彼女は、最初はおとなしくしていましたが、だんだんに、体をいろいろ動かしてみたり、手で体のあちこちを触ってみたりするようになっていました。
映像的にいえば、ほとんど動きのない退屈な場面なのですが、着ぐるみを着た状態で放置された5分間は、彼女にとってどれほど長く感じたことでしょう。

さて、ブーツの修理も終わり、ようやく撮影開始です。
最初はスチルカメラから。
イスに座ったまま、脚を組んでみたり、膝を抱えてみたり。
後ろ向きに座って、イスの背を抱えてみたり。
次は、畳の上で横すわりしてみたり、寝そべってみたり。
前回のモデルはエッチなポーズが多かったのですが、私の彼女は恥ずかしがって、あまり大胆なポーズは撮らせてもらえませんでした。
その代わり、動きはすごく生き生きとしていたと思います。
そして、結果的に、今回のほうが良い写真を撮ることができました。
今回はフィルム交換のときも小休止せず、1時間以上、ぶっ通しで撮影を続けました。もっとも、冬場だからこんなことが出来たわけで、それでも十分、暑いのですが、これが夏場だったら、倒れていたことでしょう。
途中、カメラをビデオに持ち替えて、手持ちでアップの撮影も行いました。

前半戦を終わって、ようやく休憩です。
面を外すには、ファスナーを一番下まで下ろさなければなりません。
腰のあたりまであるファスナーを下ろし、両肩を脱がせ、頭を上に持ち上げるようにしてから、面を外します。
「はふー。暑い暑い」
タオルで顔を拭いてやり、飲み物を飲ませます。
全部、脱いで休憩する? と尋ねてみましたが、
「このままでいい」とのこと。

後半戦は、私もヒーローの着ぐるみを着ました。着たまま発射してもいいように、コンドーム装着です。
先に彼女に面をかぶせ、ファスナーを上げてやりました。
着ぐるみの姿のまま、私の着替えを見守る彼女。
そして、私のファスナーは彼女に上げてもらいました。
体に密着するゴムの感覚。
そのまま、『母』 となった彼女を抱きしめます。
彼女もヒーローの私の体を、すりすりと触っていました。
二人とも同じ感覚に包まれたまま、どんどん興奮していきます。

マスクをつけた状態では、マスクとスーツの触れ合う摩擦音と自分の息遣いしか聞こえません。
ここで気がついたのは、着ぐるみを着ている人間同士では、相手の言葉が聴き取れないこと。
耳に穴が開いていないためです。
そこで、考え付いたのが、頭部と頭部をくっつけることでした。
そうすると振動が伝わって、相手の声がちゃんと聞こえるのです。
こうしてみたら、ちゃんと会話もできました。
「これだと、キッスできないね」 などと彼女は言っていました。

しばらく、立ったままの姿勢で前から後ろから抱き合っていましたが、次第にイスを使ったり、寝転がったり、いろいろな体位で、ごしごしきゅるきゅると体をこすりあわせてみました。
ゴムとゴムが擦れ合う感覚。
もうたまりません。
今度は隣の部屋から、大きめの座卓を持ってきました。
そこで、彼女は自分の頭を私の頭部にくっつけて言いました。
「お願い。ビデオを止めて」
「うん。わかった」
私はビデオカメラのほうに手を伸ばしました。
(もちろん、カメラは回したままです。LED はこういうときのためにテープで塞いであるのですから。)
しばらくの間、ビデオカメラのほうを見つめる 『母』 の姿が録画されてしまったわけですが。

私は座卓の上に彼女を寝かせて、上から触りました。
彼女を座卓に座らせて膝枕をしたり、胸を触ったりしました。
また、座った私の上に彼女が跨って、体を動かしたりもしました。
最後は、お互いをきゅるきゅるとさすってフィニッシュです。

その後も、しばらく二人で抱きあって、ごろごろしていたのですが、だいぶ疲れてきたので、お互いのファスナーを下ろして、二人とも着ぐるみを脱ぎました。
あとで聞いたら、彼女もイッちゃっていたそうです。

汗でびしょびしょになった着ぐるみは、しばらく裏返しにして干しました。
彼女はぬるぬるになった着ぐるみの股間を、一生懸命にタオルでふき取っていました。
私たちは、体中がゴム臭いので、一緒に風呂に入りました。

このときの写真とビデオは、前回、書いたような事情で、すべて廃棄してしまいました。
あしからず。

---
後日談。
このとき撮った一枚のモノクロ写真を、別の友人女性に見せたところ、
「なんか、すごくきれい」と言いました。
この女性は別に着ぐるみとは何の関係もないひとなのですが、
「こういうの着て、写真撮らせてくれる?」
と、ちょっといたずらっぽく尋ねてみたところ、彼女はしばらく考えてから、
「うん。いいよ」
と答えました。

それからの話は、いずれまた。


 (第3話へつづく)


※フィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません。


第1話:『風俗嬢に着ぐるみを着せた話』
第2話:『彼女が着ぐるみに着替えたら』(本記事)
第3話:『部屋とTシャツと着ぐるみ』


-----
この物語は、数年前、2ちゃんねる@特撮板に投稿したオリジナル小説を、改稿・加筆したものです。

風俗嬢に着ぐるみを着せた話

2006.11.04 [ Edit ]

着ぐるみの女性と H なことをするのが好きです。
第一話は、風俗嬢着ぐるみを着せた話から。

まず、『母』 と呼ばれる着ぐるみについて。
私が初めて 『母』 に出会ったのは、中学の頃、少年雑誌のグラビア写真でした。
テレビの特撮シリーズに登場するヒーローの姿を“神”に例えるなら、『母』の顔立ちや身体の曲線は女神か観音様に匹敵するものだと思います。テレビ番組の中で、『母』 はほんの少ししか登場しなかったのですが、私にとっての彼女は、それくらい美しく、神々しく、輝く存在でした。
それから数十年後、私が特撮番組の制作会社の倉庫で、『母』に再会したときの興奮をどうやって伝えたら良いのでしょう。
倉庫の床の上に並べられたヒーローたち一族の中に、彼女を発見した私は、言葉を失いました。
聖なるものを汚してはならないという信仰心にも似た気持ちと、彼女を自分のものにしたいという思いが、私を引き裂き、結局、欲望が勝利を収めたのでした。


私の家は、特撮番組の制作会社の近くにあります。
あるとき、私は制作会社のひとに頼んで、「パーティで使う」 という名目で、『母』 の着ぐるみを借りてきました。レンタル料は、30,000円くらいだったと思います。
着ぐるみは、ウェットスーツのような赤いゴム製の素材に銀色の塗装が施されたボディに、FRP という硬質の樹脂で作られた面(マスク)が一体となっています。それに、バイク用と思われるグローブとブーツが、別パーツとしてついています。
当時の 『母』 の着ぐるみは、損傷が激しくなったため、廃棄処分になっているはずです。でも、私が借りてきた着ぐるみは、テレビに登場したやさしい表情のマスクのものでした。
あの時の“彼女”に、二度と会うことが出来ないと思うと、残念でなりません。

次は、モデルさんの話です。
私は、雑誌で見つけたホテトルに電話しました。今でいうデリヘルですが、ちょっとしたSMならOKのところです。
その際、「ノーヌード、ノーセックス、着ぐるみを着てもらい、写真を撮らせてほしい」と尋ねたところ、「顔が写らないのであればOK」との返事をもらっておきました。
そして、嬢をホテルに呼びました。
汗でびっしょりになるので、衣服は全部脱いでもらい、用意したパンストと長袖のTシャツを着てもらいました。
嬢の印象があまり記憶に残っていないのですが、無口な娘で、ほとんどしゃべらなかったような気がします。

当たり前なんですが、ベッドの上に広げられた着ぐるみ全身スーツを見て、彼女は戸惑いの表情を見せました。
しかし、そんなことを気にしている暇もなく、着ぐるみを着せて行きます。
パンストとTシャツを着た豊満な身体に、スーツはぴたっとフィットしました。
さらに、面をかぶるときは、私もどきどきしていました。

「大丈夫? 息、できる?」
私が声をかけると、
「うん」
と、答えが帰ってきましたが、実際は聞き取るのがやっとの籠った声でした。

最初はそんな調子だったのですが、手袋とブーツを装着していると、
「すいません。ちょっと・・・ちょっといいですか・・・?」
と言いながら、両手を挙げて、後頭部を触ろうとし始めました。
『母』 のマスクには大きな角みたいな突起があって、後頭部には手が届きませんし、届いたとしても、自分でファスナーを開けることはできません。

着ぐるみは済ました顔をしているのですが、中の人間が呼吸困難になりパニック状態になっていることは明らかです。
すぐにファスナーを下ろし、面を外してやると、
「ふぅ。苦しかった・・・」 と一言。
ここで、一旦、休憩です。

着ぐるみマスクは、FRP という硬い材質で出来ていますが、内側にウレタンが張ってあり、後ろのファスナーを閉めると、かなり圧迫される感じで顔面に密着します。
このマスクを被るだけで、多くのひとは苦痛を感じたり、閉所恐怖を感じたりするようです。
でも、口のところに開いている小さな穴で呼吸するためには、これくらい密着していないと、逆につらいのです。
着ぐるみの中で呼吸するのにはコツがあって、口をとがらせる感じでフーっと息を吐くようにすると、楽に呼吸することが出来ます。しかし、口を大きく開けて息を吐くと、自分の吐いた熱い息がマスクの中に溜まってしまい、次に息を吸ったときに、それをまともに吸い込んでしまうことになります。そして、瞬間的に酸欠状態になるため、パニックになるのです。

さて、再び、面を装着して、撮影開始です。
ファスナーを上げる前に、私はちょっといたずらをして、脇から手を入れて、モデルの胸を触ってしまいました。
彼女は、うぅ、とも、うぉ、ともつかぬ低い声を出していました。
着ぐるみの胸にはパットが入っているため、中身の女性の体型は、あまり関係ないのですが、それでも、私の目の前に立った『母』の姿は、十分に美しいものでした。

撮影の間、私はあれこれ声をかけながら、様々なポーズをとらせました。
『母』 の着ぐるみは、喉のところがきつきつに作られていて、頭部を自由に動かすことができません。だから、頭を左右に動かすときは、上半身全体をひねるようにします。また、頭だけを上に向ける動作は不可能です。
したがって、モデルを四つんばいにさせたときは、顔は下を向いたままになってしまいました。
ほかにも、鏡の前に立たせたり、ベッドの上で脚を開いてオナニーみたいなポーズをさせたり。そんなことをしながら、撮影は進んでいきました。

フィルムを交換するたびに、面を外して休憩するのですが、モデルの表情が次第に恍惚としたものに変わって行くのがわかりました。

撮影が一通り済んでから、私は着ぐるみの 『母』 をベッドに誘いました。
私たちはお互いの“身体”に触れ合い、最後は、手でいかせてもらいました。
全部で2時間。夢のような時間でした。
モデルの彼女もよくがんばってくれたと思います。

彼女が脱いだ後の着ぐるみは、汗でびっしょりでした。
彼女が帰ったあと、私も着てみましたが、(ファスナーにひもをつけておくと、自分で着たり脱いだりできるのです。)これはたまりません。
体にぴったりフィットするので、前はモッコリ。こんな姿では外は歩けませんね。

モデルには内緒だったのですが、本当は、撮影風景も含めて、最初から最後まで、ビデオカメラを回していました。
でも、写真、ビデオともに、数年前、私が自殺未遂をしたとき、処分してしまいました。



 (第2話へつづく)


※フィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません。


第1話:『風俗嬢着ぐるみを着せた話』(本記事)
第2話:『彼女が着ぐるみに着替えたら』
第3話:『部屋とTシャツと着ぐるみ』


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この物語は、数年前、2ちゃんねる@特撮板に投稿したオリジナル小説を、改稿・加筆したものです。

【TB】
変態性低気圧:母親養成ギプス
 同じテーマを扱った創作短編です。
読んでいて、わくわくしてしまいました。

黒タイツの思い出

2006.10.12 [ Edit ]

A さんが、僕の勤めるオフィス・ビルの同じフロアに異動してきたのは、ある年の10月のことだった。
A さんは30代の女性で、この会社ではベテランの社員である。
彼女と初めて話を交わしたのは、各フロアに1箇所ずつ設けられた喫煙スペースでのことだった。
当時、オフィスの禁煙・分煙化が推進されていたため、喫煙者の多いこの会社では、喫煙スペースという区切られた部屋が設置されたのである。昨今では肩身の狭くなった喫煙者同士ということもあって、このスペースに集まる社員たちには妙な連帯感のようなものが発生したり、仕事の枠を超えたコミュニケーションが生まれたりすることがある。
また、多くの者が1時間に1回程度のペースでこのスペースを訪れるため、1日に何度も同じ社員と顔を合わせることが多くなる。

最初に、A さんに声をかけたのは僕のほうだった。
「また、お会いしましたね」
「そうですね。偶然かしら」
「偶然ですよぉ。一日中、ここでタバコ吸ってるわけじゃないんですから」
彼女は、黒い髪を長く伸ばし清楚な格好をしていたが、細くて奇麗な脚をひざ上丈のスカートから伸ばしていた。そして、いつも黒タイツを履いていた。

この会社では、女性社員は全員、貸与された制服を着用する決まりになっていたのだが、靴下だけは余程派手なものでない限り、自由になっていた。全女性社員の半数は“派遣さん”だったが、彼女たちのほとんどは紺のハイソックスを履き、正社員は肌色系のストッキングを履いていた。これにはおそらく、正社員としてのプライドのようなものが含まれていたのかもしれないと思う。
しかし、A さんが履いていたのは黒タイツだった。
さらに言えば、大半の女性が茶髪という時代の話である。彼女の長い黒髪は非常に珍しかったのだ。
全社数百名の女性社員の中で、A さんのような外見の持ち主はほかに存在しなかったのである。

僕と彼女は、なんとなく挨拶や世間話をする程度の間柄で終始していた。
同じ会社に勤めているとはいえ、僕たちは別の部署に所属していたのだし、業務内容も全く違っていたため、仕事上の共通の話題を持ち合わせていなかったのである。

それから半年後、僕は過労のため体調を崩し、2ヶ月間、休職した。
休職中は上司と何度も電話やメールでやりとりをしていたが、いよいよ復職が近づいた頃、上司は僕に異動を検討していると語った。
僕自身、休職する前の仕事が精神的につらかったこともあって、異動の希望を提出していたので、これが決まればようやく願いが叶うことになる。
数日後、再び上司から連絡があり、異動先の部署が決まったと告げられた。
僕の新しい仕事場。それは A さんの所属する部署だったのである。

翌月の1日、僕は復職し、以前と同じフロアの、異動先の部署に出社した。
朝礼で簡単な自己紹介を済ませた後、元の部署のデスクから荷物を運んだりして慌しく過ごした。僕の新しいデスクは、A さんの隣りだった。
しかし、彼女の姿はそこにはなく、デスク周りもきれいに片付けられていた。
「あの。A さんは?」
僕は、新たに同僚となった男性の一人に尋ねた。
「A さん、亡くなったんですよ」

交通事故だった。しかも、1ヶ月以上も前の出来事だった。

僕は新しい仕事を任されたが、その中のいくつかの業務は A さんが以前、担当していたものだった。
社員が退職すると、コンピュータの ID は抹消されるのだが、社内ネットの中から、彼女の署名入りの文書が大量に見つかった。また、彼女が遺したノートには、美しい手書きの文字で、業務に関する覚え書きがびっしりと記されていた。
僕はそれらを全て読んで、仕事を覚えた。

さらに1ヶ月が過ぎ、もはや A さんに関する話題も聞かれなくなった。
喫煙スペースでは、若い社員たちが黙々と携帯メールを打っており、気軽に喋ったりする雰囲気はすでに消えていた。
それでも、僕は煙草を吸いに出かけるたびに、A さんの黒髪とタイツを思い出すのである。


※フィクションです。

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Author:Ken
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