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FETISH STATION

From Tokyo to the world.

フェチとの出会い(1)

2006.10.17 [ Edit ]

劇団ティンカーベルというアマチュア児童劇団のサイトを読んでいて、思い出したこと。

---
僕の生まれた家は山の上にあった。
通っていた幼稚園はその山のふもとにあり、毎朝、母の手に引かれて坂道を下り、歩いて通園していた。
坂の途中、尾根状になっている箇所があり、崖の下に小学校の校舎が見下ろせるようになっている場所があって、自分より大きなお兄さんお姉さんたちが校庭で遊んでいる様子を見ることができた。
「大きくなったら、あの学校に行くのよ」
と、母は言った。
僕には上の兄弟がいなかったので、小学校というのがどういうものなのか、よくわからなかったのだが。

ある日、校舎と体育館をつなぐ通路を、不思議な格好をしたたくさんの子供たちが通り過ぎるのが見えた。
後から考えてみれば、学芸会の劇の練習か何かだったのだろう。
彼らは、犬、猫、タヌキなどの動物の扮装をしていたのだ。
色とりどりのタイツを履き、同じ色の上物を着て、耳やお面などの被り物をしていた。
もちろん、昔の話だから、劇団ティンカーベルのような素晴らしいコスチュームではなかっただろうし、タイツの上に着ていたのはただのセーターだったのかもしれない。(往々にして記憶は美化されるものなのだ。)
それでも、大きなお兄さんお姉さんたちが楽しそうにしているのが、よくわかった。
「大きくなったら、あの学校に行くんだ。タヌキになって茶色のタイツを履くんだ」
僕はそう思っていた。
実はタイツを履いたことがなかったのである。
当時、僕が親から履かされていたのは“長靴下”と呼ばれる、脚の根元くらいまでの長さのもので、伸縮性が乏しく、すぐによれよれになってしまう代物だった。
あこがれのタイツを履いて、好きな動物に変身する。
これが僕の夢だった。

ところが、翌年、僕の家は東京に引っ越した。
幼稚園は年長組に編入したが、どうにも馴染めず、中途で辞めてしまった。
小学校に上がっても、タイツを履いている子供なんかいなかった。
もちろん、タイツのせいばかりではないが、学校に通うのが苦痛で、休みがちになり、家でテレビばかり観ている子供になった。

こうして、幼い日の夢の一つが失われたのである。


 「フェチとの出会い(2)」へ続く。

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Comment

おじゃまいたします。

Ken さん こんばんは。

こちらに僕のブログへのリンクを張っていただき、お礼をしなければと思いつつ
ご挨拶が遅くなってしまいました。この度はありがとうございました。
出会いシリーズ4から辿ってここに到着してしまいました。

幼児時のお話を拝見させていただき、心の中が微笑ましくなるような
またなぜか満たされなかった思いに目頭が熱くなるような思いです。

タヌキになって茶色のタイツを履くんだ

この一説からワクワクする楽しさから、自分が体験した訳ではないのに
僕自身の小さな頃のささやかな思いに重なってくるようでした。

ありがとうございました。

くまさん

こんにちは。
幼い頃に抱いた思いをそのままに、大人になってしまった今の自分がここにいます。
懐かしいやら、なさけないやらですが、タイツが好きな人って、多少なりともそういう部分を持っているのではないでしょうか。
こちらでも、よろしくお願いします。

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