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From Tokyo to the world.

ドストエフスキー 『地下室の手記』

2008.07.23 [ Edit ]

 ドストエフスキーの 『地下室の手記』 (1864年発表)が面白すぎる。
 本書は 「I 地下室」、「II ぼた雪に寄せて」 の2部構成になっており、1部は主人公である40歳の 「俺」 の哲学的考察、2部は物語である。
 もっとも、「I 地下室」 は冒頭の自己紹介部分以外、読み飛ばして構わない。光文社古典新訳文庫の巻末解説によると、出版当時、検閲によって削除された箇所があり、そのままになっているからだ。丹念に読んでもどこが削除されたのどうせわからないし、ストーリー皆無の完全な自分語りが延々続くだけである。

 「II ぼた雪に寄せて」 は 「俺」 の24歳のときからの話で、ドタバタ喜劇のように面白おかしくスピード感のある物語である。
 前半の主なエピソードを書き出してみよう。

  1. 初めて入ったビリヤード屋で勝手がわからず通路に立っていたところ、一人の将校が 「俺の肩を引っ掴むなり、むっつり黙ったままなんの警告も説明もなしに、俺が突っ立っていた場所から別の場所に俺を移動させ、自分は何事もなかったかのようにすっと通り過ぎた。」
  2. そのことを根にもった 「俺」 は2年間(!)にわたって将校をストーカーよろしく追いかけるが、結局、小心者ゆえ何の行動も起こさない。
  3. 学生時代の友人たちと会話していたら、ある友人の壮行会が計画されていることが判明する。自分だけ誘われていなかったのだが、無理矢理、壮行会に出席し、案の定全員からひんしゅくを買う。
  4. 壮行会が終わり、友人たちは二次会へ流れていく。一人取り残された 「俺」 は、馬橇に乗り、御者を殴りつけながら後を追う。
  5. 着いた先は売春宿だった。数時間後、「俺」 は娼婦・リーザと語り合う。

 ここでの 「俺」 とリーザの会話が傑作だ。

「ここはもう長いの?」
「どこ?」
「この家さ」
「二週間」 女の返事は、ますます短く、途切れがちになっていった。蝋燭はすっかり消えてしまい、もう女の顔も、見分けがつかない。
「両親はいないの?」
「ええ……いえ……いるわ」
「どこにいるんだい?」
「あっち……リガ」
「何をしてるんだい?」
「べつに……」
(中略)
「年はいくつかね?」
「二十歳」
「どうして両親のところから出て来たんだ?」
「べつに……」
このべつには、ほっといて、ムカつくわ、という意味だった。

 (強調部は原典では傍点。)


 確かにムカつく、というかウザい男である。風俗嬢と客の会話と思えば、むちゃくちゃだ。
 しかし、「俺」 はこの後5ページにわたって、彼女に説教を始める。それに対するリーザの返答は以下のとおりである。

「なんだか、あなたは……まるで本を読んでいるみたいなんだもの」と、女は言うと、その声には再び、どこか嘲笑的な調子が響いていた。
 この指摘には傷ついた。まさかこんなことを言われるとは、思ってもいなかったからだ。


 傷ついた 「俺」 はブチ切れて、今度は9ページに及ぶノンストップの説教を行うのである。ちなみに、リーザは決して無愛想なわけではなく、むしろ 「俺」 に対して無私の愛をそそぐ理想の女性として描かれている。(こういう女性って、『罪と罰』 にも出てくるよね。)
 この後も、リーザとの再会、最低最悪の結末へと盛り上がっていくのだが、そのあたりはぜひ本を手にとって読んでいただきたいと思う。

 「俺」 自身が 「アンチヒーローのあらゆる特性が集められている」 と語っているとおり、主人公は自意識過剰で尊大で傲慢で卑怯である。思想を語るばかりで行動が伴わず、しかもその思想は受け売りだ。
 自意識過剰な小説というと、太宰治の 『人間失格』 を思い浮かべるが、太宰の主人公が自虐的であるのに対し、本書の 「俺」 は他罰的であり、“自分は全て正しい。悪いのは周囲だ。” と主張する。
今の言葉でいう 「非コミュ」 の典型と呼べる主人公の爆発ぶりだが、この小説が150年前に書かれたことを考えると、古さを感じさせないところが素晴らしい。
 ロシア文学ってすごいんだな。


地下室の手記(光文社古典新訳文庫)地下室の手記(光文社古典新訳文庫)
(2007/05/10)
ドストエフスキー

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 新潮文庫版は主人公の一人称が 「僕」 だったのだが、光文社古典新訳文庫では 「俺」 になっている。ひ弱でオタクっぽいイメージの新潮文庫版と、性格悪いおっさん風の光文社版とどちらが良いかわからないが、後者のほうが読みやすいと思う。
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今日の柴田さん

2008.07.22 [ Edit ]

Yahoo!メールの「迷惑メール」フォルダに、こんなメールが入っていました。

spam

内容はどうってことのない普通のスパムメールですが、この差出人名はなんとかならないのでしょうか。
どうしても、この方を思い出してしまうではありませんか。







shibata

「ごめんね(^_-)-☆」という顔文字と合ってないじゃありませんか!


いや、この方、嫌いじゃないんですよ。元々かなり美人だし、グラマーだし。女優としての活躍はもとより、タレントとしてお茶の間に欠かせない存在だと思うんですよね。
特に、感動のアニメ最終回みたいな番組で、彼女がアップで号泣するのはもうお約束ですし、僕などはもう彼女の号泣を観てからじゃないと、アニメを見ても泣けなかったりします。(条件反射なんでしょうか。)

でも、スパムメールのターゲットとなる客層とは絶対違うと思うんです。

夏目漱石 『硝子戸の中』

2008.07.22 [ Edit ]

 『硝子戸の中(うち)』 は、大正4(1915)年1〜2月に朝日新聞に掲載された夏目漱石の随筆集である。新聞には毎日連載され、(1回の分量は文庫本で約2ページ)全39回のまとまった随筆となったものである。

 本書を読んで思い起こすのは“晩年”という語である。
 もちろん、漱石は本作を書いた翌年に亡くなったのだから、晩年の作品だというのは事実なのだが、それは結果に過ぎない。しかし、作家には晩年あるいは老年期でなければ書けない文章があるのだなあという感慨を抱かざるを得ないのである。
 本作では 「死」 が大きなテーマとして取り上げられている。飼犬の死、友人や親戚の死など、多くの死がここには書かれている。そして、大病を患った漱石自身も、自らの死を見据えて、これを書いていると思われる。

 大正3年、『こころ』 を書き上げた漱石は体調を崩し、1ヶ月あまり寝込んだという。本作はその翌年に書かれたものだが、まだ自宅療養中だったようである。
 しかし、主人公の自殺、明治の精神への殉死といった深刻なテーマを取り上げた 『こころ』 と違い、本作には暗さが感じられない。むしろ、力の抜けてリラックスした状態で、明るさとユーモアを交えながら、日常生活や過去の思い出話を淡々と綴っているのである。

 本作の中で、漱石自身の他の作品について言及されているのは、『我輩』 のモデルになった猫くらいのものである。(本作に書かれている漱石の親戚の多くは、次作 『道草』 に変名で登場する。)本作が文学誌ではなく新聞に連載されたものだからというのもあるだろうが、漱石の小説を読んだことのない人にも、この随筆はおすすめしたい。120ページ程度の本だが、できればゆっくりと味わうように読んでいただきたいと思う。
 手元に置いて、何度も読み返したい本の一つである。


硝子戸の中 (新潮文庫)硝子戸の中 (新潮文庫)
(1952/07)
夏目 漱石

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【ゼンタイ動画】 Zentai costume video

2008.07.14 [ Edit ]

zentai_video


LIBERATOR というアダルト・グッズのショッピング・サイトで公開されているゼンタイ動画をご紹介。
アダルト・グッズといっても、小さなのは大人のオモチャやコスチュームから、大きなのは家具までいろいろ扱っています。
で、この動画は残念ながらゼンタイではなく、「ベッド」の CM なんですよ。


Zentai costume video - Watch more free videos


軽快な音楽に合わせて、全身タイツの男女が踊ったり絡み合ったりしているんですが、どう見てもベッドが目立ちません。
果たしてこの商品、売れるのでしょうか?

Liberator.com : Liberator Shpes Bedroom Adventure Gear
元サイトの動画はこちらから。

ゼンタイを着たまま休憩中

2008.07.13 [ Edit ]

zentai066


  zentai067



ゼンタイを着ると、やたらとはしゃぎまくってしまう人と、リラックスして眠くなってしまう人がいるようです。
Maria は後者のようです。

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